アルミニウムの材料選定

アルミニウム材料の特性

アルミニウム(アルミニウム合金を含む)を製品に採用する際にはどの特性を利用するかを明確にしておくことが重要になります。また、アルミニウムにはいた、形、管、棒、鍛造、鋳物、ダイカスト品など様々な形状があるため素材の選定も設計技術者に求められます。

<アルミニウム製品の製造法別の特徴>
製品の区分 製造コスト 金型価格 組織内部品質 機械的強度 形状の制約
圧延板材 不要 ×
圧延押出材 ×
鍛造品 ×
鋳造品
ダイカスト品 × × ×

出展:(社)日本アルミニウム協会編「現場で生かす金属材料シリーズ アルミニウム」

アルミニウム合金の種類

日本工業規格(JIS)ではアルミニウムとアルミニウム合金を「西方」と「形状」によって分類しています。純アルミニウムと含まれる化学成分により分類される合金は大きく7種類あります。

<アルミニウム合金の種類と代表用途>

缶、箱、窓サッシ、自動車、飛行機、船舶、熱交換器、メモリディスク、印刷版、各種タンク等

合金種類 代表合金 材料特性 用途
加工性 耐食性 強度





100系
純AL
1100、1050     器物、箔、反射板、熱交換チューブ
3000系
Al-Mn
3004、3003   飲料缶銅、電池ケース、熱効用配管
4000系
Al-Si
4032、4043       建材パネル
5000系
Al-Mg
5052、5182
5454、5083
  飲料缶蓋、自動車ボディ、ホイール、
電気機器、船舶




2000系
Al-Cu
2017、2024     航空機、自動車ギア、エンジンピストン
6000系
Al-Mg-Si
6061、6K21、
6022、6111
  自動車ボディ、車両、サッシ、
自動車足回り
7000系
Al-Zn-Ng
7075、7N01     航空機、金型、スポーツ用品

アルミニウムはその目的により、部材製品の製造法が異なります。市場には既に様々な形状のアルミニウム部材があり、設計技術者はアルミニウムの材料特性を活かすことで、品質やコストに優れた製品の設計が可能となります。